そもそも取締役とは何ぞや?取締役会なんて大企業がやるもの、
という程度の意識で、単に意気投合したから、とか、
親戚だからとかの安易な理由で取締役に登記することがあります。
「まさか、あいつがあんな奴だとは思わなかった」「信じていたのに」等々、
今更、悔やんでも仕方がないけれども、ひたすら後悔の念。
こういうことよくあります。
「なんで、こんな人間を会社に入れたの?」「最初に分からなかったの?」
という質問はしません。
それは、結果論からすれば、そう言えるかもしれませんが、
日々全力で走っている社長にとってみればそれは酷な質問です。
取締役会は何ができるのか(取締役会の権限)
取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を行います。
上記が主だった取締役会の権限です。
ですので、例えば、会社の社長が大規模な融資を受ける場合には、
取締役会の承認をとっておかなければいけないのです。
ただし、銀行などの通常の金融機関の場合には、
その業務の家庭で取締役会議事録の提出を求めて来ますので、そのタイミングで、
「ああ、ということは、取締役会を開かなければいけないのか」と分かるはずです。
それに、仮に、取締役会の承認をとっていなかったとしても、
代表取締役は、株式会社の業務に関し、
一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有することを第三者は信頼して、
取引関係をもっていますので、結局、その取引は有効ということなります。
それならば、取締役会を開いてなくても
さして問題はないのではないかということなのですが、
その融資が返せなかった場合が問題です。
債権者としては、返すあてもないのに借りたのかということで、
借り入れの際の手続きが問題とされる場合があり、特に、詐欺的な借り入れがなされ、
それにもかかわらず取締役会も開いていないとすると、
連帯責任を問われる事態も考えられますし、
そうでなくても「あんたも取締役だろう」とガンガン詰められる可能性があります。
代表取締役の選任・解任は取締役会の権限です。
普段は、社長は、他の取締役の信任によって自分の地位があるなんて
考えもしないでしょうが、多数決で解任されるということもあるのです。
いわゆるクーデターです。
もちろん、対抗手段として、株主総会を開いて、
クーデター派の取締役の解任を図ろうとするでしょうが、
その間、代表印をおさえられてしまい、
会社をいいように動かされてしまうという危険性もありますし、
【解任された】=【もう旧社長に力がない】と判断され、
スポンサーたる株主から見放されることもあります。