ヒートポンプ技術とその普及

冷暖房・給湯の使用電力が減ればかなりの電力が節約できる

 

電気を作り出すことも重要ですが、

作った電気を効率よく使うということも、これにまさるとも劣らず重要です。

 

そこで、工場や特殊目的の建物等を除く、

いわゆる一般家庭においてはどのような電気需要があるかといいますと、

2010年白書なんかをみますと、照明(35.9%)、給湯(29.5%)、暖房(24.3%)、厨房(8.1%)、冷房(2.1%)と言われており(2008年度)、

また、家庭で使う電気の4割がエアコン・クーラーと

冷蔵庫によるものとなっているそうです。

 

ということは、冷暖房・給湯の使用電力を限りなく少なくしていけば

家庭の電力需要を押さえ込むことに絶大な効果があるということになります。

 

ヒートポンプの原理

ヒートポンプの原理自体は、さほど複雑なものではなく、

従来からクーラー等で使われている原理です。

蒸発→圧縮→凝縮→膨張の4工程で1サイクルとなっております。

 

①蒸発
  もともと、冷媒が圧力を下げた低い温度の液体になっており、

  これが室内の空気等と接すると、蒸発して気体になり、

  その際に熱を奪います。


②圧縮
  蒸発工程を経て、気体となった冷媒は、圧縮機(コンプレッサー)に

  送り込まれ、圧縮されます。

  圧縮すると圧力があがるのはもとより、気体の温度が上昇します。


③凝縮
  圧縮工程を経て、温度及び沸点ともに高くなった気体の冷媒は、次に、

  凝縮器に送り込まれて、室外の空気等と接することになりますが、

  外気の方が温度が低いため、冷媒熱(高)から外気(低)に熱が流れます。
  また、それでも、沸点を下回るので、気体は液化します(熱も生じます)。


④膨張
  凝縮工程を経て、液体となった冷媒は、膨張弁で圧力を下げられて、

  液体である冷媒の温度(及び沸点)が下げられます。

圧縮機効率化の追求

圧縮機で冷媒を圧縮して、高温高圧化するから、

その後の熱交換機で熱を放熱できるようになるのですが、

ここでは圧縮機を動かすために電気を消費するので、

この消費電力をおさえる必要があります。

 

また、圧縮機にはいくつかのタイプがあり、

レシプロタイプ、ロータリータイプ、スクロールタイプがあり、

スクロールタイプは効率が高く静かです。

冷蔵庫や自販機などは庫内だけを冷やせば良いため、

レシプロタイプの小型の圧縮機を搭載しています。

大容量には適さないものの、一定の能力を徐々に出すには適しているからです。

冷媒

ヒートポンプには冷媒は欠くことができないもので、

従来は、フロンが使われてきましたが、

オゾン層破壊の問題から、国際的に規制の対象となり、さらに、

代替冷媒についても、温暖化係数が高いため京都議定書で削減対象とされてました。


他方で、CO2を冷媒として利用する技術が急速に進展しています。

特に、このCO2冷媒ヒートポンプ給湯器エコキュートは世界に先駆けた製品です。

ただ、CO2冷媒を空調冷媒としていくためには、

まだまだ困難な技術的課題があります。

フロン系の冷媒は10気圧あれば、気化・液化できますが、

CO2の場合には、100気圧が必要で(超臨界)、

高効率性を達成するのはなかなか難しいとされています。

COP(Coefficient of Performance)

ヒートポンプもたしかに電力を必要としますが、それは、

熱移動のためのコンプレッサー等の動力源としてであって、

電力を直接熱エネルギーに変換して用いるわけではありません。

ただし、電力を熱エネルギーに変換することができることも確かです

(例えば、電気ヒータ)。

ですので、直接、電力を熱エネルギーに変換して暖房にする場合に比べて、

ヒートポンプを使う場合の電力量が大きいのは論外として、例えば、

暖かさが同程度で、使用電力量において大差がないのであれば、

苦労してヒートポンプ技術を使う必要がないのです。

 

もちろん、ヒートポンプは、熱を発生させるより熱を移動させる方が

必要な電力が少なくて済むので使われているわけですが、

どの程度少なくて済むのかを表す指標が、

COP(Coefficient of Performance)です。

当然ながら電気ヒータのCOPは1ですが、

例えば、COPが6ですと、COPが6ということは、

消費する電力の6倍の熱エネルギーを得られることになります。

ヒートポンプ+蓄熱技術

ヒートポンプのCOPが挙がれば挙がるほど、

節電につながることは間違いないのですが、

さらに節電効果を高めるためには、「消費電力の平準化」の概念が必要となってきます。


すでに周知となってきたように、電気というのは原則として作りおきができず、

電力の需要がピークになる点を考慮して、発電設備は設計されています。

したがって、夜間は電力消費量が少なく、昼間は消費電力量が多いため、

夜間は発電設備が遊んでしまいます。


そこで、夜間の発電設備を遊ばせずに、

夜間発電により作り出された電力を用いて、蓄熱し、

その熱を日中に利用することができれば

ピーク時の電力を低くおさえることができます。

 

蓄熱技術としては、その蓄熱材の種類により、

水蓄熱、氷蓄熱、駆体蓄熱(建物の駆体に蓄熱する)などがありますが、

駆体蓄熱は放熱が制御できませんので、水蓄熱か氷蓄熱が主流です。

氷蓄熱は潜熱を利用するため、水よりも効率は高いですが、

他方水蓄熱は冷房時は冷水、暖房時は暖水と

季節に合わせて切り替えられるのが特徴です。

 

 

 

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